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第四回市民災害ボランティアに参加して (2011年12月) 伊藤恵子
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 NPO法人全国商店街おかみさん会「草加おかみさん会」の一員として、草加市社会福祉協議会のボランティア登録をさせて頂き、11月20日〜21日の東日本大震災での草加市社会福祉協議会主催「第4回市民災害ボランティアバスツアー」に、仲間の前川眞人さんと初めて参加致しました。活動場所は「宮城県亘理郡山元町内」、参加人数は社会福祉協議会の方々を含め39名でした。この活動は草加市市民の善意からなる基金によっての事業で、被災者支援、社会福祉協議会で立ち上げた災害ボランティアセンター支援を趣旨としています。
 
 数日前に行われた説明会を経て、20日の23時に草加市役所をバスで出発、翌朝6時15分位に山元町役場内に設けられた災害ボランティアセンターに到着しました。車中で朝食のお弁当を頂き、又、山元町の社会福祉協議会の役員の方からご挨拶と説明を頂き、9時過ぎからボランティア作業となりました。作業内容が「ガレキの撤去」「イチゴハウスの雑草取り」「テントの撤去」であった為、三つのグループに分かれ作業を始めました。私は山元町役場内のテニスコートに設けられたアメリカからの支援テントの撤去となり、その場に残り、前川さんはガレキ撤去の為バスで移動し現場に行きました。防寒対策をしての服装・ゴム手袋・帽子・防塵タイプのマスク・踏み抜き防止対応の長靴の作業着に着替え、約6時間もの作業をさせて頂きましたが、本当に身体を使っての事でした。
 
  私の作業は初めの2時間、大型でドーム型のテントを8台程撤去しその場の整地、昼食を1時間程とり13時からの作業は、大型のトラック5台分の砂利をテニスコート5面分程のその場所にスコップで撒く事でした。50分の作業をしたら10分間の休憩で水の補給を忘れずにとご指導頂きながらの作業、参加された皆さんが誰一人と休める手もなく動かれている姿には胸が熱くなりました。「私も頑張ろう」と何度思ったかわかりません。只、いつも頭をよぎるのは、「限られた作業をさせて頂いているのが私」という思いでした。
 
  今想えば、これまでで一番動かさせて頂いた事であったと思います。慣れないスコップに振り回されているような私でしたが、最後の方では腰を使ってなんとか進める事が出来ました。13名での作業でしたが、時間の都合上最後までやりきれる事が難しかったのが残念でなりません。
 
 作業を終え着替えをして車中に戻った時には、山元町の社会福祉協議会の役員の方から御礼の言葉と作られたおむすびを頂き、16時頃帰宅の途につきました。草加市役所に到着したのは22時15分頃となりましたが、行きの車中では自己紹介を、帰宅の車中ではボランティアが終わっての感想等を皆さんで話し合っての時を過ごしました。
 
 ここで、この貴重な活動に参加させて頂いて私が学んだ事、氣付かせて頂いた事をご報告致します。
 
 まず、社会福祉協議会常務理事の石田様もお話されておりましたが、この活動に参加されている方々のボランティア意識が高いという事です。作業にあたられる姿勢や言動、「自費でもいいのでこの活動を続けてほしい」とお話された方の想い。ボランティアに対して「自分に何が出来るのか」という問いかけを、再認識させて頂きました。この活動に3回〜4回と参加されている方が何人もいらっしゃった事も事実です。又、これは私が作業休憩中に被災された方から伺った言葉ですが、津波に遭い家が流され、やっとの思いでこの山元町役場に避難され、600人の方々と励まし協力し合った時が懐かしく、今はご夫婦で過ごされている仮設住宅から一週間に一度こちらに来ないと「夜も眠れない」とお話され、「ここに来ると頑張る氣持ちがもらえるのです」とおっしゃっておりました。この言葉は「人として生きる生かされる」事の大きなメッセージと学びと私は感じました。きっと一生忘れられない言葉です。
 
 他に、帰りの車中での報告の中に、津波から逃れる為に二人の子供さんと避難された際、「上の子は山に向かって山だけを見て逃げ」て、下の子は「抱っこして逃げた為津波をずっと見ていた」事が、今、二人の子供の心の違いとなっているという事でした。その話を聞いて胸が詰まりました。又、ガレキの撤去で作業していた前川さんの報告では、ガレキというよりもイチゴハウスであった所が津波で流され、埋もれた鉄パイプをスコップでずっと掘り起こしていたとの事でした。被災地に行ってのボランティアが初めての経験の私には、深い学びとなりました。実はこの活動に参加する数時間前に山元町がTVに映され、教育委員会の方々が被災に遭った現場の一部を忘れない為に残すか残さないかと、今被災地で問題とされている事をお話されている報道を目にしました。この不思議を与えて頂いての私の活動でした。正直まだまだ書ききれない事や想いが沢山ありますが、この貴重な経験を胸に今後も「私に何が出来るのか」と問いかけながら過ごしていきたいと思います。
 
  最後に、草加市社会福祉協議会常務理事石田様をはじめ関係者の皆様、参加者の皆様、宮城県亘理郡山元町社会福祉協議会の皆様と被災地の皆様、本当に有難うございました。そして、このご縁をつないで下さいました三好良社、小見寺さん、有難うございます。作業中に届いた小見寺さんからのメールと仲間のメールに、勇氣と元氣を頂きました。その時、大変であった山元町役場での避難生活が懐かしいとお話しされた方の姿が浮かび「人と人とのつながり」「心と心のつながり」その大切さを実感した私でした。

 

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